2026年1月3日、世界を揺るがす大事件が起きました。
アメリカ軍がベネズエラの首都カラカスを攻撃し、マドゥロ大統領夫妻を拘束したのです。
「これって戦争なの?」「なぜアメリカは攻撃したの?」「日本にも影響はあるの?」
そんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、アメリカとベネズエラで何が起きているのか、なぜこんなことになったのか、そして今後どうなるのかを、できるだけ分かりやすく解説していきます。

【結論】何が起きたのか?一言でまとめると
まず、何が起きたのかを簡単にまとめます。
- 2026年1月3日、アメリカ軍がベネズエラを攻撃
- 特殊部隊(デルタフォース)がマドゥロ大統領と妻を拘束
- 夫妻はアメリカに連行され、麻薬テロなどの罪で起訴された
- トランプ大統領は「成功した作戦」と発表
- 中国・ロシアは「国際法違反」と強く批判
これは1989年のパナマ侵攻(ノリエガ将軍の拘束)以来、アメリカが他国の現職大統領を武力で拘束するという、非常に異例の事態です。
時系列で見る:何が起きたのか
まずは時系列で、どんなことが起きたのかを見ていきましょう。
2025年:攻撃への布石
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2025年1月 | マドゥロ政権が3期目スタート |
| 2025年8月 | トランプ大統領がマドゥロ氏への懸賞金を5000万ドル(約78億円)に引き上げ |
| 2025年8月 | アメリカ軍がカリブ海への軍備増強を開始 |
| 2025年9月 | 「麻薬密輸船」への空爆を開始(35回以上実施、115人以上が死亡) |
| 2025年11月 | 空母「ジェラルド・フォード」を含む大艦隊をカリブ海に派遣 |
| 2025年12月 | ベネズエラに出入りする石油タンカーの封鎖を命令 |
2025年を通して、トランプ政権はベネズエラへの圧力をどんどん強めていきました。最初は「麻薬対策」という名目でしたが、次第にその本音が見えてくるようになります。
2026年1月3日:作戦決行の日

ベネズエラ時間の1月3日午前1時50分頃、アメリカ軍は首都カラカスへの攻撃を開始しました。
作戦名は「Operation Absolute Resolve(断固たる決意作戦)」。
- 空爆開始:ステルス機がベネズエラ軍の施設、通信設備、空軍基地を精密爆撃
- 特殊部隊投入:約200人のアメリカ兵がカラカスに展開
- 大統領拘束:デルタフォースがマドゥロ大統領の自宅に突入し、就寝中だった夫妻を拘束(わずか3分で制圧)
- 移送:夫妻は強襲揚陸艦「イオー・ジマ」に移送され、その後アメリカへ
この作戦で、ベネズエラ側では少なくとも100人が死亡したと報じられています。マドゥロ大統領を警護していたキューバ人部隊にも32人の死者が出ました。
1月5日:マドゥロ大統領が法廷に
1月5日、マドゥロ大統領夫妻はニューヨークの連邦地裁に出廷しました。
起訴された罪状は以下の4つです:
- 麻薬テロの共謀
- コカイン輸入の共謀
- 機関銃・破壊装置の所持
- 上記所持に関する共謀
マドゥロ氏は法廷で「私は無実だ。私はベネズエラの大統領であり、拉致された」と述べ、すべての罪状を否認しました。妻のシリア・フローレス氏も「完全に無実だ」と主張しています。
次回の公判は3月17日に予定されています。
なぜアメリカはベネズエラを攻撃したのか?
ここからは、なぜこんな大事件が起きたのか、その背景を解説していきます。
理由①:表向きは「麻薬対策」
アメリカ政府が公式に述べている理由は「麻薬テロとの戦い」です。
アメリカでは麻薬の過剰摂取による死者が年間10万人を超えており、大きな社会問題になっています。特に合成麻薬「フェンタニル」が深刻です。
アメリカ政府は、マドゥロ政権が麻薬カルテルを支援し、ベネズエラを経由して大量のコカインがアメリカに流れ込んでいると主張しています。
しかし、この説明には疑問の声もあります。
実は、アメリカで問題になっているフェンタニルの大部分はメキシコで製造されており、ベネズエラは主にコカインの「通過国」に過ぎません。フェンタニル対策が目的なら、ベネズエラよりメキシコへの対策が先ではないかという指摘があります。
理由②:本当の狙いは「石油」

多くの専門家が指摘しているのは、アメリカの本当の狙いは「石油」だということです。
実はベネズエラは、世界最大の石油埋蔵量を持つ国なのです。

| 順位 | 国名 | 石油埋蔵量 |
|---|---|---|
| 1位 | ベネズエラ | 約3,000億バレル |
| 2位 | サウジアラビア | 約2,660億バレル |
| 3位 | カナダ | 約1,670億バレル |
トランプ大統領は攻撃後、こう発言しています。
「世界最大のアメリカの石油会社数社に、数十億ドルを投じて、壊れた石油インフラを修復し、ベネズエラに利益をもたらすよう働きかけるつもりだ」
トランプ大統領(Yahoo!ニュースより)
つまり、アメリカの石油会社がベネズエラの石油開発に参入することを狙っているわけです。
理由③:「新モンロー主義」で中南米を支配したい
もう一つの大きな理由が「モンロー主義」です。
モンロー主義とは、1823年にアメリカのモンロー大統領が打ち出した考え方で、簡単に言えば「アメリカ大陸(南北アメリカ)はアメリカの縄張りだから、ヨーロッパは手を出すな」というものです。
トランプ政権は2025年11月に発表した「国家安全保障戦略」で、この考え方を現代版にアップデートした「モンロー主義のトランプ補論」を掲げました。
- 中国・ロシア・イランを中南米から排除する
- 南米のエネルギー資源を確保する
- 麻薬組織をテロ組織とみなして軍事行動を正当化する
- 国境管理を強化して移民流入を阻止する
ベネズエラは中国やロシアと親密な関係にあったため、トランプ政権にとっては「排除すべき存在」だったのです。
そもそもベネズエラってどんな国?
ここで、ベネズエラという国について簡単に解説しておきます。

基本データ
| 正式名称 | ベネズエラ・ボリバル共和国 |
|---|---|
| 場所 | 南アメリカ北部(カリブ海に面している) |
| 人口 | 約2,800万人 |
| 首都 | カラカス |
| 言語 | スペイン語 |
| 通貨 | ボリバル |
かつては「南米の豊かな国」だった
ベネズエラは1900年代前半に石油が発見されて以来、石油輸出で大きな富を得てきました。1960年にはサウジアラビアなどと一緒にOPEC(石油輸出国機構)を設立した国でもあります。
1980年代までは「南米で最も豊かな国」と言われていました。
チャベス政権と「反米路線」
しかし、その富は一部の人々に独占され、貧富の差が大きな問題になっていました。
1999年、貧困層の圧倒的な支持を受けてウゴ・チャベスが大統領に就任します。チャベスは「21世紀の社会主義」を掲げ、石油産業の国有化を進め、アメリカに対抗する姿勢を鮮明にしました。
2002年にはアメリカCIAが支援したとされるクーデターが起きましたが、国民の抗議でわずか3日で失敗に終わりました。
マドゥロ政権と経済危機
2013年にチャベスが死去すると、後継者のニコラス・マドゥロが大統領に就任しました。
しかし、2014年以降に原油価格が暴落すると、ベネズエラ経済は深刻な危機に陥ります。
- 年率200万%を超えるハイパーインフレ
- 食料や医薬品の不足
- 700万人以上が国外に脱出(難民化)
- 石油生産量はかつての3分の1に減少
アメリカはマドゥロ政権に経済制裁を課し、2019年には野党のフアン・グアイドを「暫定大統領」として承認しました。しかし、グアイドは実効支配を得られないまま、2022年に野党の暫定政府は解散しています。
世界はどう反応しているのか?
アメリカのベネズエラ攻撃に対して、世界各国はどう反応しているのでしょうか。

中国の反応
中国は非常に強い言葉で批判しています。
「中国は深い衝撃を受け、主権国家およびその大統領に対する武力行使を強く非難する」「主権国家に対する蛮行を強く非難する。これは覇権行為だ」
中国外務省(日本経済新聞より)
中国はマドゥロ夫妻の即時解放も求めています。
ロシアの反応
ロシアも「武力による侵略行為」と非難しています。
ラブロフ外相はベネズエラのロドリゲス副大統領(現暫定大統領)と電話会談を行い、「武力攻撃に直面しているベネズエラ国民との確固たる連帯」を表明しました。
国連の反応
1月5日、国連安全保障理事会で緊急会合が開かれました。
グテーレス国連事務総長は、この攻撃を「危険な前例」と呼び、国際法の遵守を求めました。
「ダブルスタンダード」の批判
中国やロシアは「アメリカはロシアのウクライナ侵攻を批判しながら、自分は同じことをしている」と、西側の「ダブルスタンダード(二重基準)」を批判しています。
ただし、国際政治学者の中には「中国・ロシア・イランが『主権侵害』『国際法違反』と声高に非難しているのは、自らの行為を全く顧みない厚かましさだ」と指摘する声もあります。
日本政府はどう対応しているのか?

日本政府は、非常に難しい立場に置かれています。
外務省の対応
外務省は外務報道官談話を発表し、以下の3点を強調しています:
- 在留邦人(約160人)の安全確保を最優先
- ベネズエラにおける民主主義の回復と情勢の安定化に向けた外交努力
- 国際法の原則の尊重を重視
外務省にはベネズエラ情勢の連絡室が設置され、在ベネズエラ大使館には現地対策本部が置かれています。
「板挟み」の日本
しかし、日本政府は米軍の攻撃そのものの是非については明確な評価を避けています。
これは、日本が「法の支配」を国際社会に訴えてきた一方で、アメリカは唯一の同盟国であるという、板挟みの状態にあるためです。
高市早苗首相は1月4日にXで情勢安定化に取り組む考えを示しましたが、米軍の行動についての論評は避けています。
これは「戦争」なのか?
「アメリカとベネズエラは戦争状態なのか?」という疑問を持つ人も多いでしょう。
アメリカ政府の公式見解は「戦争ではない」です。
ルビオ国務長官は「アメリカはベネズエラと戦争状態にない」と明言しています。
アメリカ政府は今回の軍事行動を「麻薬テロリストの逮捕作戦」と位置づけており、「戦争」や「侵攻」という言葉を使っていません。
しかし、国際法の専門家からは「国際法違反」という指摘が相次いでいます。他国の領土を攻撃し、その国の大統領を武力で拘束する行為は、通常の「犯罪者の逮捕」とは全く異なるからです。
また、アメリカ国内でも、議会への事前通告なしに軍事行動を行ったことについて、「戦争権限法」違反ではないかという議論が起きています。
今後どうなるのか?
最後に、今後の展開について考えられるシナリオを見ていきましょう。
ベネズエラ国内の状況
マドゥロ大統領が拘束された後、ベネズエラ最高裁はロドリゲス副大統領を暫定大統領に任命しました。
ロドリゲス暫定大統領は当初、アメリカを強く批判していましたが、トランプ大統領が「再攻撃」を警告した後、「米国と協力する」姿勢に転換しています。
トランプ大統領は「しばらくの間、アメリカがベネズエラを運営する」と発言しており、1年以上の関与を示唆しています。
国際関係への影響
この事件をきっかけに、中国とロシアがアメリカに対抗するため、これまで以上に結束を強めるとみられています。
また、他の中南米諸国もアメリカの「次のターゲット」になるのではないかと警戒しています。
日本への影響は?
直接的な影響としては、以下のようなことが考えられます:
- 原油価格:ベネズエラの石油生産が回復すれば、長期的には原油価格が下がる可能性
- 日米関係:アメリカの行動をどう評価するかで、日本の外交姿勢が問われる
- 国際秩序:「力による現状変更」が許されるなら、中国の台湾侵攻なども正当化されかねない
まとめ
2026年1月3日のアメリカによるベネズエラ攻撃は、第二次世界大戦以降の国際秩序を揺るがす大事件です。
- アメリカ軍は「断固たる決意作戦」でマドゥロ大統領夫妻を拘束
- 表向きの理由は「麻薬対策」だが、実際は石油利権と中南米支配が狙い
- 中国・ロシアは「国際法違反」と強く批判
- 日本は「法の支配」と「同盟国アメリカ」の間で板挟み状態
- 国際秩序への影響は計り知れない
今後の情勢は予断を許しませんが、この出来事が世界に与える影響は非常に大きいと言えます。引き続き、最新情報に注目していく必要があるでしょう。
参考文献・出典
この記事は以下の情報源を参考に作成しました(2026年1月8日時点)。
- 2026年アメリカ合衆国によるベネズエラ攻撃 – Wikipedia
- 米国、ベネズエラに空爆実施-マドゥロ大統領夫妻を拘束・起訴 – Bloomberg
- トランプ政権、国際法より国益優先 ベネズエラに武力行使 – 日本経済新聞
- ベネズエラ・マドゥロ大統領拘束、トランプ流「力による解決」の衝撃 – 東洋経済オンライン
- ベネズエラ大統領拘束、米当事者らが明かす作戦の内幕 – CNN
- Maduro faces US court; Trump says US to ‘run’ Venezuela – Al Jazeera
- Making sense of the US military operation in Venezuela – Brookings
- US to ‘run’ Venezuela after Maduro captured – Chatham House
- U.S. Confrontation With Venezuela – Council on Foreign Relations
- 7 takeaways from Trump’s action in Venezuela – NPR
- 米司法長官「マドゥロ大統領と妻を起訴」麻薬テロなどの罪で – 日本経済新聞
- マドゥロ氏「私は拉致された」初出廷で無罪主張 – 日本経済新聞
- 中ロイラン、米のベネズエラ攻撃を批判「主権侵害」 – 日本経済新聞
- 米軍がベネズエラを武力攻撃し大統領拘束…中国「激しい怒り」の理由 – RKB毎日放送
- ベネズエラ情勢(米国によるマドゥーロ大統領の身柄拘束)外務報道官談話 – 外務省
- ベネズエラ攻撃、対応苦慮「法の支配」と米国、板挟み – 時事通信
- 衝撃的なベネズエラ奇襲攻撃は勢力圏奪還のための布石 – Yahoo!ニュース
- ベネズエラ、原油埋蔵量は世界一 – Business Insider Japan
- ノーベル平和賞受賞の栄光と米国トランプ政権の軍事圧力に揺れるベネズエラ – アジア経済研究所
- ベネズエラの政治状況と米国制裁 – 丸紅
- 米国国家安全保障戦略とトランプ版モンロー主義 – 野村総合研究所
- 石油に呪われた国、ベネズエラ – 国際環境経済研究所
- いかなる外国勢力もベネズエラを統治していない 暫定大統領 – AFPBB News